第2章 重なる光。~僕編~
次の日、僕は普段通りに彼女に接した。
彼女も普段通りに接してくれた。
帰り道。
僕は彼女と他愛のない話しをして帰る。
昨日のことには触れなかった。
触れたくなかった。
僕は機会をうかがいながら、
遊園地の話しをした。
「青峰くんも誘いました。」
僕がそう言うと、
彼女は驚いたような顔をした。
もっと喜ぶと思ったのに
彼女は意外にもポカーンとするだけだった。
「…大丈夫です。青峰くんとの事協力しますよ。」
僕は出来るだけ笑顔で彼女にそういうと
彼女は相変わらず、
ポカーンとした表情のまま、うつむいた。
それから僕は
周りから恋人同士に見られないように
少しだけ早足で歩き、
彼女から離れた。
会話はなく、
無言だった。
これでいい。
そう自分に言い聞かせながら
歩けども、
胸がズキズキとずっと痛んでいた。