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三日月。☆黒子のバスケ

第2章 重なる光。~僕編~


好きなら一番に
彼女の幸せを考えなければいけなかった。

にも関わらず僕は

自分の事ばかりを考えていた。

家につき、
大きく深呼吸をすると、
僕は電話をかけた。

呼び出し音が鳴る。
その時間が異様に長く感じる。

窓から外を見ると、
先程まで赤かった空は
真っ青に染まり、

星がキラキラと輝いていた。

「…もしもし?」

電話の向こうで少し眠そうな声が聞こえる。

「あ、青峰くん。こんばんわ。」

「んだよ。急に…どうした?」

あくび交じりに
青峰くんは僕に聞いた。

「今度の開校記念日の休日に遊園地行きませんか?」

その問いにしばしの沈黙が訪れた。

「・・・はぁ!?」

「あ。勘違いしないでください。橋本さんも一緒です。」

「あ、あぁ。びっくりした。野郎二人で行くのかと思った…。」

「すいません。」

「いや、でも、お前ら二人で行けばいいだろ?」

再び沈黙が訪れる。
僕は必死で理由を考える。

「…大人数の方が楽しいじゃないですか。」

「…お、おう。まぁ、どうせ暇だしいいぜ。」

「ありがとうございます。」

なんだか不審がりながらも
青峰くんは了承してくれた。

窓を開けると、
冷たい風が一気に流れ込む。

キラキラと光る星に手が届きそうで
手を伸ばしてみれども

手は届かず、
虚しく風が僕の手をかすめた。






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