第2章 重なる光。~僕編~
僕達は手を繋ぎ、
次のお出掛けの計画を立てる。
傍から見ればきっと、
僕達は恋人同士に見えるのではないだろうか。
そんな事を考えながら
空を見上げると、
空は青から赤へとグラデーションしていた。
なんだか嬉しくなり、
石段の上を歩いてみる。
ふと、彼女の歩みが止まる。
少し驚き振り向くと、
夕日に照らされた彼女の顔が
僕をじっと見つめて居た。
愛しそうに僕を見つめ、
僕の頬に彼女の手が触れる。
胸がドキドキと速くなり、
僕も彼女の頬に手を触れる。
彼女が少し背伸びをする。
僕も前のめりになる。
唇と唇が触れ合う。
唇が離れた時、
彼女は呟いた。
「あお…みね…くん。」
その名を聞いて。
一気に現実に引き戻される。
僕はいつの間にか忘れていた。
愛されているのは自分ではなく、
僕に重ねられている誰かである事を。
心が潰れるぐらいに
ひどく痛んだ。
それと同時に大きく後悔をした。
あぁ、僕はなんて卑怯な奴だと…。