第2章 重なる光。~僕編~
部活が終わり、
僕達は部室へと向かっていた。
「もぉー、黒子っちのためならめっちゃくちゃ協力するっスよぉ!」
黄瀬くんは物凄く楽しそうに、
スキップしながら鼻歌まで歌っていた。
「…あー。でもあの子確か、青峰っちが好きだよね。」
黄瀬くんは立ち止まり、
『うーん』と考え出した。
「あ!良い事思いついたっス!ちょっと先に部室戻ってていいっスよ♪」
黄瀬くんは勝手にコロコロと表情を変えながら、
何やらワクワクしている様子だった。
それから、僕は部室に戻り、
制服に着替え、黄瀬くんが戻ってくるのを待った。
「黒子っちお待たせっス!この愛の伝道師!黄瀬涼太の素晴らしい計画を聞くっス!」
「…はい。」
僕は大人しく彼の計画を聞いた。
今日のファミレス会で
青峰くんと桃井さんをわざと近くの席にし、
橋本さんをわざと離す。
そこで二人のやり取りを見て
傷心した橋本さんに
僕が告白する…という計画らしい。
「いいっスか!女の子は弱ってる時に揺さぶられるとコローっと行っちゃうもんなんスよ!絶対いけるっス!」
黄瀬くんは鼻をフンっと鳴らして
得意気な顔をしていた。
僕は上手く行かないと思った。
でも…
少しだけ
期待してしまっていた。