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三日月。☆黒子のバスケ

第2章 重なる光。~僕編~


「…っち!…こっち!黒子っち!!!」

肩を叩かれはっと我に返る。

「すいません。ぼーっとしてました。」
僕が振り返ると、黄瀬くんが溜息をつきながら肩をすくめていた。

「もぉー!練習中にぼーっとするなんてらしくないっスよ!もしかして恋煩いっスか?」

黄瀬くんは意地悪そうな笑顔で僕を見た。

「…そうかもしれません。」

僕がそう呟くと、
黄瀬くんは体育館中に響き渡りそうなぐらい
大きな声で叫んだ。

「黄瀬くん。大袈裟です。」
僕は彼を睨んだ。

「いや、だって…えぇ!?誰っスか!?相手は誰なんスか!?」

黄瀬くんは僕の肩を掴むと
ニヤニヤとしながら僕の顔を覗き込んだ。

「…言いたくありません。」
僕が目をそらすと、黄瀬くんは負けじと僕の視界へと入ってくる。

「いいじゃないスかー!協力するっスよ!恋のキューピッド黄瀬涼太っスよ!」

黄瀬くんは僕の周りをくるくるとうざったいぐらいに回る。

そんな時、一人の女の子が黄瀬くんに話しかけた。

「ねぇ!黄瀬くん!今日さ、ファミレス行かない?」
マネージャーの藤花子さんだった。

「ん?いいっスけど。他は誰が行くんスか?」
黄瀬くんは僕の腕を掴んだまま、
彼女に問いかける。

「えっと…うちは美海ちゃん誘ってるけど…黄瀬くんも適当に誘っといてよ!青峰くんとかさ!じゃ!よろしく!」

そういうと、すぐに彼女は去って行った。

「適当にねぇー…あ、黒子っちもどうっスか?ファミレス!」
黄瀬くんが笑顔で僕の顔を見る。

「行きます。」

「…えぇ!?何か意外なんスけど!もしかして、黒子っち…花子ちゃんの事が好きなんスか?」

黄瀬くんは冗談っぽく言う。

「いえ。」

僕が否定をすると、
黄瀬くんは更に冗談っぽく彼女の名を言った。

「えー?じゃぁ美海ちゃん?」

「…。」

思わず黙り込みうつむいてしまった。

黄瀬くんが再び騒ぎ出す。



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