第2章 重なる光。~僕編~
それからしばらくして、
僕は青峰大輝に出会った。
放課後、一人で練習していると、
彼は現れた。
バスケが大好きで、
僕達はすぐに意気投合した。
"いつか必ず一緒にプレーしような。"
彼は、
僕を救ってくれたもう一人の存在だった。
いつだって眩しいぐらいに輝き、
僕は彼に憧れていたのかもしれない…。
その念願も叶い、
僕は1軍レギュラーまで上り詰めた。
始めはそのハードな練習にはついていけず、
僕はただただ必死だった。
ふと、慣れ始めた頃、
僕は再び彼女を見つけた。
「…あ。」
彼女は熱心に僕達の練習を見ていた。
でも、彼女の目には僕は映らなかった。
彼女の目には、
いつだって
青峰くんが映っていた。
頑張れば僕だって
見てもらえるんじゃないかって
そんな淡い期待を抱きながら
僕は練習に打ち込んだ。
でも、僕はしょせん影で、
強烈な光の前では消えてしまう。
わかっているのに
ズキズキ痛む心が
鬱陶しくてたまらなかった。