第2章 重なる光。~僕編~
大好きなバスケをしたくて…
帝光中学バスケ部に入部するも、
部員数100名を超える名門校では
平凡な僕はいつだって
3軍だった。
同じ学年にはスピード昇格をし、
1軍のレギュラーにまでなる人たちが沢山居る中、
僕は一人焦り、
心さえも折れそうになっていた。
今日の昇格試験も僕は、
『あれ?君そもそも居たっけ?』
と先生に言われる始末だった。
必死で努力しているのに報われない。
もう辞めてしまおうかと思っていた。
"ポン"と肩を叩かれた。
「お疲れ様!シュート惜しかったね!もうちょっとで入りそうだったのに!」
振り返ると、
その女の子は笑顔でそう言ってくれた。
「…え?」
僕がそう驚いていると
"美海ちゃーん"
誰かの名を呼ぶ声がする。
「はーい!あ、じゃぁ!頑張ってね!」
そう言うと彼女は笑顔で去って行った。
もうやめてしまおうかと思ったとき
救ってくれたのは彼女だった。