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三日月。☆黒子のバスケ

第1章 重ねた影。~私編~



観覧車のライトに照らされた彼の青い髪は
水色のような淡い色になり、
褐色の肌は真っ白になっていた。

「…あ。」

ふっと青峰くんの手が私に伸びる。

優しく私の髪を撫でる。
愛しそうな目で私を見る。

その時はっと気がついた。
今青峰くんは私に桃井さんを重ねて見ている。

胸がぎゅっと痛んだ。

あぁ。
きっと青峰くんは本当は
今日一日桃井さんと一緒に過ごしたかったんだ。

胸を掻き乱されるような
どうしようもない気持ちになった。

私は青峰くんの手を掴んだ。

「桃井さんじゃないよ。」

「…わりぃ。」

青峰くんははっとしたように
我に返って、うつむいた。

私も黒子くんにこんな思いをさせたんだ。
それなのに黒子くんは
私に協力するって言ってくれたんだ。
そう思うと、胸が潰れるぐらい痛くて、

耐え切れず、
その場で声を出して泣いてしまった。

オロオロとする青峰くんも気にせず
ワーワーと私は泣き叫び、

そのまま観覧車は
地上へと到着した。

ドアが開くと、
私はすぐに飛び出し、
走り出した。




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