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三日月。☆黒子のバスケ

第1章 重ねた影。~私編~


"ガン"

"ッキュ"

"ピー!!"


様々な音がなり響く体育館。
でも、私にはそんな音さえ聞こえていなかった。

ただただ、
大好きなあの人を見つめて胸を高鳴らせていた。

「…ん…ちゃん…美海ちゃん!」
肩を叩かれはっと我に返る。

「ごめん!ぼーっとしてた!」

私が振り返ると、
同じ帝光中バスケ部マネージャーの花子が立っていた。

「もうっ!何回も呼んだんだからね!」
花子はブゥっと頬を膨らませる。

「ごめんってばぁー!」
私は笑いながらすぐにやりかけていた仕事に手を戻す。

「どーせ、また青峰くん見てたんでしょ?」

花子は私を軽く肘で小突くと、
私の仕事を手伝ってくれた。

「あははー!バレちゃったぁ?だってカッコイイんだもん!」
そう言って私は再び青峰くんの方を見る。

「…あ。」
私の胸に何かがチクっと刺さった。

「…あ!そういえばさ!この間ね!」
花子は私に気を遣うようにわざとらしく声を大にし、
私の視界を遮るように私の視線の前に移動した。

「う、うん。」
私も笑顔で花子の方に視線を向けながらも、
気になってたまらなかった。

その時、青峰くんは楽しそうに
マネージャーの桃井さんと話していた。

桃井さんと話している時の
青峰くんの表情はいつだって…

誰と話している時よりも
楽しそうで…

桃井さんに向けられる
その目は優しかった。







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