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三日月。☆黒子のバスケ

第1章 重ねた影。~私編~


立ち止まった私に
黒子くんは驚いたように止まり、
こちらを見つめた。

少し高い段に乗った彼の身長は丁度青峰くんぐらいで…
夕日の逆光によって少し濃くなった水色の髪が青に変わり、
真っ白なその肌も褐色に見えた。

そこには青峰くんがいるようで

胸がドキドキと高鳴り
私は求めるように彼の頬に触れた。

彼も答えるように私の頬に触れ、
少し前のめりになり、

私も少し、背伸びをした。

触れた唇が柔らかくて、
熱くて…

目を閉じた。

私の頭の中では…
彼は黒子くんではなく
彼は青峰くんだった。

唇が離れ、
目を開ける。

愛しくて名残惜しくて
その彼の頬を撫でる。

「あお…みね…くん…。」

自分の発してしまった言葉にはっとなる。

そこには当然ながら青峰くんではなく…
黒子くんが居た。

「…ごめんっ!」
私は思わず目をそらした。

「いえ…すいません。帰りましょう。」

黒子くんは石段から降りると、
うつむきながら私の手を引き歩き始めた。

怖くて顔が見れなくて…
私もうつむいたまま帰った。


胸がズキズキひどく痛んだ。
理由はわからない。

でも、今まで感じた事がないくらいに
痛くて…

家に帰ると
久々に大きな声で泣いた。







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