第1章 重ねた影。~私編~
相変わらず、
斜め前の席では
青峰くんが楽しそうに桃井さんと話していた。
「はぁ…。」
小さく溜息をつき、
いちごパフェを口へと運ぶ。
ふと、前を見ると、
"テツくん"と目が合う。
「あ…えっと…一口もらってもいいですか?」
「うん!いいよ!あ、私も一口頂戴!」
そうして、
私と"テツくん"は一口ずつパフェを食べあった。
「ん~!やっぱりチョコもおいしいね!」
私が笑うと、"テツくん"も小さく笑った。
「はい。いちごも美味しいですね。」
そんな"テツくん"を見て、
あぁ、これが青峰くんだったらなぁー
なんて考えた私はきっと
すっごい失礼な奴だと思う。
しばらく"テツくん"と話していると、
"テツくん"のフルネームは黒子テツヤで、
1軍レギュラーと言う事だった。
「ごめん、なんでかわからないけど…今まで全然気付かなかった…次からは絶対見つけて応援するよ!」
私がそう言うと、
黒子くんは嬉しそうに笑ってくれた。
黒子くんと話しながらも
私はたまに青峰くんの方を眺めていた。