第9章 ~姉と兄~
「・・・っ、政宗!!」
小十郎は、政宗の安否を確めるべく、叫び声がする方に走り出した。
打が、小十郎の視界に入ったモノは
「・・・っぁ・・・が・・・っは・・・」
「すまぬ、すまぬで御座る、政宗殿っ、」
呼吸困難に陥った、政宗の姿だった。
其を見た小十郎は、人目を憚らず、政宗の唇に口付けをした。
其に周りは、眼を見張った。
「・・・えっ?一体何をして、」
「成る程、其の手を使うか・・・」
「えっ?どういう事??」
元就は、小十郎が取った行動を理解した。
其に元親は、状況が理解出来ず、元就に問い掛けた。
元就は、馬鹿を見る眼で話し掛けた。
「・・・呼吸困難に陥った場合、最優先に行わなくては為らぬ事は何ぞ?」
「あ~・・・呼吸の確保。」
「為らば。呼吸を確保する為に、先ずは何をするのが先決ぞ?」
「呼吸を整える、打な・・・っ!」
其所迄云って元親は、今の状況を理解した。