第9章 ~姉と兄~
其の後で
「あ~、怒ってる。確実に怒ってる。」
「本当に、困った弟ねぇ。若様の事に為ると、気の聴いた事も出来なくて・・・堅物なのは、顔だけにして欲しいわ。」
「義姉さん!其云えてる!」
「・・・・・・ぐ・・・うっ、」
小十郎に、確実に聴こえる様に話す二人が居た。
其に小十郎は、事実なので何も言い返せ無いで居た。
打が、玄関の扉を開け様と近付いた小十郎は、ある違和感を感じた。
『・・・何か・・・家の中が、やけに騒がしいな・・・?』
家の中からは、政宗以外の声が、何やら叫び声を挙げて居たのだ。
小十郎は、不信に思いながらも、家の中に入った。
「ただい・・・ん?誰か来て・・・っ、」
「何?何かあったの・・・か、」
「早く入りなさい・・・よ、」
家に入った彼等は、己の耳を疑った。
何故なら、家の中で叫ぶ声が
「政宗殿!確りするで御座る!!」
「オイ!一体何があった真田!!」
「解らぬで御座る!突然の出来事でっ、某、某のせいで、」
「旦那落ち着いて。旦那のせいじゃ無いから・・・」
災厄な事が起こったのだと、云って居た。