第9章 ~姉と兄~
「・・・政宗殿?」
幸村は、政宗の様子が可笑しい事に気付き、後を振り返った。
すると、思いも寄らない光景が視界に入った。
「・・・っ・・・ぁっ・・・・・・かはっ・・・」
「政宗殿!確りするで御座る!!」
其は、呼吸困難に陥った政宗の姿だった。
幸村は、直ぐ様政宗に近付き叫んだ。
「政宗殿!政宗殿!!」
「・・・・・・っっ・・・ぁ・・・こ・・・」
「政宗殿!今、人を呼んで来るで御座る!!」
幸村は、部屋の扉を勢い良く開け、人を呼んだ。
「・・・っぁ・・・こ・・・じゅ・・・・・・ろっ、」
政宗はベットに寄り掛かり、息を荒げながら、想い人の名を呟いた。
其の頃小十郎は、駐車場に車を停めて、家に入ろうとして居た。
「・・・政宗・・・怒ってるよな・・・」
そして、機嫌獲りに買ったモノを見ながら呟いた。