第8章 ~謎の人物~
「此所が、政宗殿の住む家で御座るか?」
「ん?あぁ。小十郎と一緒にな。今は、小次郎も一緒だけど・・・」
幸村の問い掛けに政宗は、制服の上着を脱ぎながら答え、着替える為に、自分の部屋に向かおうとした。
打が其を、幸村が引き止めた。
「・・・どうした、真田?喉渇いたのか?」
「某、政宗殿の着替えを手伝うで御座る。」
「はっ?」
幸村の突然の発言に、政宗は首を傾げた。
「・・・あぁ・・・うん、解った。真田、着替え手伝ってくれ。」
「ウム。理解した。」
打が、直ぐに幸村の意図を理解し、幸村と供に部屋に向かった。
幸村は其の後を、嬉しそうに着いて行った。
すると、其を無言で見て居た小次郎が、口を開いた。
「・・・僕から兄さんを、引き離す魂胆ですか?先輩方。」
「御名答!さっすが、頭良いねぇ♪」
小次郎の放つ殺気に、慶次は笑顔で答えた。
其に小次郎は、慶次の気楽な態度が気に入らず顔をしかめた。