第8章 ~謎の人物~
其を聴いた小十郎は、若干沈んだ。
「・・・事実だから、仕方ないでしょう。」
「・・・・・・」
小十郎の潮らしい発言に、其の者は頬を掻いた。
どうやら、政宗の返信が来ない事に参ってる様だ。
すると、不意に其の者は口を開いた。
「・・・帰ったら・・・若様と話し合え。」
「・・・えっ?」
其の者の放った発言に、小十郎は首を傾げた。
「勿論、私と義姉さんも行くからな?」
「えっ?ちょっ、待って?!姉さんも来るんですか?!」
「うんうん。義姉さんに逢えるのが楽しみか、義弟よ。」
「否、違っ!話を聴いて下さい!義兄さん!!」
其の者は、小十郎の腕を掴み、引き摺る様に部屋を出た。
小十郎は、顔を歪ませて叫んで居た。
一方其の頃。
「・・・上がれよ。まぁ、多少狭いけど・・・」
『お邪魔します(するで御座る)。』
政宗は皆を連れて、自宅に居た。