第2章 ~日常~
「・・・あぁ。御早う、政宗。」
其に彼ー小十郎は微笑み、政宗に口付けをした。
其が、二人の約束事。
目覚め、外出時、睡眠前の口付けをする事を、政宗が、半ば無理矢理決めた事だ。
政宗が云うには
「恋人同士に為ったら、そう言う事をするらしい。」
と、恋愛事に関しては奥手で、純な彼が、何処からか仕入れて来た情報を、小十郎に話したのが切っ掛けだ。
小十郎にして見れば、手塩に掛けて育てて来た政宗が、突然、どこぞの奴に吹き込まれた情報を鵜呑みにするのはどうかと思い、教育の為に叱ろうとした。
打が、政宗があまりにも、満面の笑みで話し掛けて居たので叱る事も出来ずに、今に至る。
政宗に口付けをした小十郎は、静に、唇を離した。
政宗は、自分から言い出した事にも関わらず、頬を染め、恥ずかしそうに俯いた。
「・・・朝食出来てっから、着替えて来い。」
小十郎は、そんな政宗の頭を撫でながら微笑んだ。
其に政宗は、無言で頷いた。