第8章 ~謎の人物~
会社の一室に有るソファーに、小十郎は腰掛けて居た。
そして、自分の目の前に腰掛けて居る人物に向かって話し掛けた。
「ー・・・政宗の為に、協力して欲しいんですが・・・」
「・・・フム・・・成る程。其で協力して欲しいと・・・」
「・・・はい・・・」
其の者は、小十郎の話した内容に頭を抱え込んだ。
其に小十郎は、自分の携帯画面を気にしながら呟いた。
どうやら、政宗に送ったメールの返信が、今だ来ない事に、気が気では様子だった。
其の者は、小十郎の様子を見て笑い出した。
「若様の事に為ると、極端に落ち着かなく為る所は・・・昔と変わらんな、義弟よ。」
「・・・・・・」
「まぁ、私としては変わって欲しかったが・・・あの御方にも・・・」
「・・・・・・」
其の者は、ソファーから立ち上がり、窓から外を見ながら呟いた。
何処か、悲し気な表情で。
其に小十郎は、何も云わなかった。
不意に其の者は振り返り、小十郎に話し掛けた。
「・・・義弟よ。先の件打が、若様の為に協力しよう。」
「・・・本当、ですか?」
小十郎は、ソファーから身を乗り出して問い掛けた。
どうやら、本当に協力してくれるとは思って無かったらしい。