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彼と俺と弟と

第7章 ~化物~


「・・・何処が・・・似て無い打と・・・?」

小次郎は、唇を噛み締めながら話し掛けた。
其に慶次は、眼を細めて答えた。

「・・・情の出来・・・」
「・・・・・・は?」

ー情の出来?

「政宗の情は、純粋で無知な情・・・穢れを知らず、苦しみを抱え込む、繊細な情・・・」
「・・・・・・」

ー知ってる、そんな事位。

「・・・打が、お前のは違う・・・」
「・・・・・・何?」

慶次の一言に、小次郎は眉を潜めた。

「独占欲、支配欲・・・様々な欲の塊で出来た情・・・腹ん中に飼ってる化物が、いつ表に出ても可笑しくない・・・」
「・・・・・・」
「・・・其に・・・政宗が怯えてるとも知らないで・・・」
「・・・・・・っ!!?」

小次郎は、慶次の放った一言に、眼を見開いた。
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