第7章 ~化物~
ー兄さんが、僕に怯える?嘘だ、嘘だ、嘘だ!!
「・・・そんなの・・・そんなの、嘘だっ!!」
小次郎は、慶次の胸ぐらを掴んで叫んだ。
「兄さんが、僕に怯える?そんなの、嘘に決まってる!」
「何故・・・嘘だと断言出来る?」
慶次の問い掛けに、小次郎は笑った。
「・・・僕達は、同じ打からさ・・・」
慶次は、小次郎の表情に、顔を歪ませた。
「僕は父さんに、兄さんは母さんに愛され無かった。解る、此の意味が?愛して欲しい人に愛され無い苦しみが?理解出来ないだろ?」
小次郎の顔は、快楽に歪んで居た。
『・・・此が・・・此の男の本性かい・・・質が悪いねぇ・・・』
慶次は、小次郎の中に居る『化物』に恐怖を覚えた。
そして、一つ確信した事。
其はー
『ー・・・存在其の者が、化物なのかい・・・』
小次郎の存在其の者が、政宗の情を脅かす『化物』打と云う事ー