第7章 ~化物~
「・・・あれ、図星?」
「・・・・・・」
慶次は、無言を貫く小次郎の表情を観察しながら話し掛けた。
其でも、小次郎は無言を貫く。
慶次は敢えて、小次郎の感情を逆撫でした。
「・・・大好きな兄さんを一人占め出来なくて、悔しいかい?」
「・・・・・・っ!!」
其の一言に、小次郎は反応した。
其に、慶次は敢えて気付かずに続けた。
「・・・兄さんを一人占めしたくて、自分だけを見て欲しくて戻って来た・・・違うかい?」
「・・・何が・・・云いたいんですか、先輩・・・」
小次郎は、慶次を睨み付けながら答えた。
其に慶次は、口角を挙げて笑った。
「其の睨んだ顔付き・・・政宗とソックリだけど・・・」
「・・・・・・?」
「情の出来は・・・全然似てねぇな・・・」
「・・・・・・っ!!」
ー似て無い?僕と兄さんが??
慶次の一言に、小次郎は眼を見開いた。