第6章 ~涙~
「・・・家の私情打から、話せないの?」
佐助の問い掛けに、政宗は再度頷く。
「・・・家の私情でねぇ~・・・」
其を聞いた元親は、頭を掻いた。
「長曽我部・・・此以上、伊達の私情に首を突っ込むでない。事態が悪化する。」
其の様子を見て居た元就が、腕を組みながら元親に話し掛けた。
すると、今まで無言でやり取りを聴いて居た幸村が、不意に口を開いた。
「・・・・・・血の・・・匂いがするで御座る・・・」
『!!?』
「・・・・・・っ、」
其を聞いた元親、佐助、慶次、元就は驚いた。
政宗は其を聴くなり、視線を泳がせた。
幸村は、政宗の反応を見逃さなかった。
そして、直ぐ様政宗の手を掴み、袖を託し上げた。
「・・・政宗殿・・・何時から此を?」
「・・・・・・」
幸村は、政宗の手首に着いて居るリストバンドを触りながら話し掛けた。
政宗は其に、何も云わなかった。