第4章 あなたの世界に
次の日も、またその次の日も
私はテラスに向かう
けどもうあの時のリヴァイと名乗る人に会うことはなかった
父にそれとなく聞いてみた
「父様、貴族の方でリヴァイという方をご存知ですか?」
「リヴァイ…?…リヴァイ?
なんか聞いたことある名だな…
えーと…ああ、思い出した!
確か何処ぞやの上流階級貴族の話だ。
リヴァイという名の1人息子がいたらしいが…なんとも貴族に似つかわしくない子だったそうでな。
口は悪いわ問題ばかり起こすわで地下に幽閉されていたらしい。
だがある日脱走を図り、止めに入った執事を1人殺してしまったそうだ。
そこから行方知らずになってると聞いたが…
お前どこでその名を?」
あの人…貴族だったんだ…
人を…殺した…?
「ああ…いえ、昨晩そのような噂を聞いたので気になってお聞きしただけです」
「そうか。ワシはお前がいい子で安心しとるぞ。ハッハッハ…」
親のいいなりになるのが
いい子の証…?
あの方は…リヴァイという方は…
貴族らしくではなく
自分らしく生きようとしたんだ
人を殺してまで…
自分を貫いた
親に飼われいいなりになり
つまらない人生を送るくらいなら…
いっそ私も………
いや
無理だ
私は…父を悲しませることはできない…
自由にはなれない