第6章 ひまわり
普通に恋さえできない
生きるか
死ぬかしかない
それでもペトラさんは選んだ
戦って
守る
愛する人を守る道を選んだ
ある日
私は兵長に小さな袋を手渡した
「なんだこれは?」
「ペトラさんの骨です」
「…………」
「どうするかは兵長が決めてください」
すると、少し考えたのち
袋につけていたヒモを首からぶら下げ
お守りのように
大事に懐にしまった
「ペトラさん…安心して逝けますね」
「死んだからって休ませねぇぞ
…まだしばらくは付き合ってもらう」
「ふふっ…その方がきっと
ペトラさん喜びますよ」
「…すまなかったな
色々、気使わせたみたいだな」
「いえ、ペトラさんにはたくさん助けられましたから」
「…そうか」
あなたの笑顔で何度救われたことか
きっと兵長もー…
ペトラさんの使っていたブレードを
地面に突き立てると
そこに一本のヒマワリを飾った
ほぼ枯れてしまっていたはずなのに
一本だけ…キレイに咲いているヒマワリを見つけたから
ペトラさんは
これからもずっと
リヴァイ兵長の中で咲き続けるんですね
答えるように
ヒマワリの花がサワサワと
風に揺れた
ーおしまいー