第2章 誠凛高校入学
「来ました 新入生…」(涙)
急に弱々しい声がした。後ろを振り返ってみると、さっきまで笑顔で元気いっぱいって感じだった小金井先輩が大男に首根っこを掴まれていた。
「バスケ部ってここか?」
「(目の前に野性の虎でもいるみたいなド迫力…!!何コイツ…!?)」
リコ先輩も同じことを思ったようだ。
てかアンタ!そのお方は先輩ぞ!
リコ先輩がお茶と入部届をわたして説明をしようとした。けど、それを断り、入部届に名前を書いた。
名前は火神大我。中学はアメリカ。志望動機はなし。
ちょっと気になって聞いてみた。そしたら、
「別にねーよ。どーせ日本のバスケなんてどこも一緒だろ」
と言い、紙コップを潰して後ろのゴミ箱に投げ入れた。けど、そのときのアイツの表情はなんだか…
「こっ…こえ~!!あれで高1!?」
小金井先輩が緊張の糸が解けたようでため息をつく。
「てゆーか 首根っこ掴まれて帰って来た理由が知りたいわ…」
「アタシも同感です。どうやったらそうなるんですか?」
「てか、帝光出身にアメリカ帰りって今年の1年ヤバくない!?」
リコ先輩の言う通りだと思う。
テッちゃんは帝光でレギュラーだったし。
さっきのは190cmと長身でパワーもある。