第2章 誠凛高校入学
~部活~
「よーし全員揃ったなー 1年はこっちな」
主将が指示を出してるとき アタシはちょっとリコ先輩と話してた。そのとき、ヒソヒソ声がした。
「なあ あのマネージャー2人可愛くねー?」
「左のが2年で、右のが1年だろ?」
「けど、先輩の方はもうちょい色気があれば…」
そのとき主将が割って入り グーで軽く頭をド突く。
「だアホー違うよ!」
「男子バスケ部カントク 相田リコです」
「マネージャーの白瀬リオです」
1年全員が一瞬固まった。
「ええ~!!?カントク!?」
驚くのも無理はない。皆がカントクだと思ってたのは顧問の武田先生。
マネージャーだと思ってたのがカントクだったのだ。
「じゃあまずは シャツを脱げ!!」
「え゛え゛え゛~~!!?なんで!?」
本日2度目のきれいなハモリ。
まぁ流石に急すぎだろと心の中でつっこむ。
指示に従った後も驚きはまだ続く。
リコ先輩とアタシが次々に皆の身体能力を言い当てていく。
アタシもリコ先輩にこんな特技があると教えてもらったときは驚いた。
逆にリコ先輩にアタシもだと教えたときは驚いてた。
…と、急にリコ先輩が足を止めた。そこは火神の目の前。
…天賦の才能を見つけた。全ての数値がズバ抜けている。
アタシまで見とれちゃった。「カントク!」と声がかかり、我に返った。
「全員視たっしょ?火神でラスト」
「えっ?そう。…あれ?黒子君ってこの中にいる?」
帝光出身のヤツと口々に言う。えっ?テッちゃんいたよね!?アタシの見間違い!?
「今日は休みみたいね。じゃあ練習始めるよ」
自分だと名乗り出る者がおらず 練習を再開しようとしたとき…
「あの、スミマセン。黒子はボクです」
…いた。出てくるの遅せーんだよ。
「(えっ?うそ。目の前にいて全然気がつかなかった。てか今、黒子って言った!?)」
ほら 先輩フリーズしちゃってるよ…
テッちゃんを手招きして呼んで
「すぐに出てこようね」
と笑顔で…いや 恐い笑顔で言った。
「…スミマセン」
見た感じとても強豪校でレギュラーをとれそうなヤツではない。
身長168cm,体重57kg
バスケやってる人としては小柄。
あと 影が薄い。
そんなヤツが「試合には出てましたけど」と答えれば驚くだろう。
一呼吸おいて皆が目を丸くした。