第1章 初恋
「・・・・セッちゃんは、行かないと思うよ。」
アルがいう水族のお嬢様とは
水族の財閥家に生まれた長女、セシリア・レン・ヘルミオネ
私の女友達で、唯一の親友
友達になり始めた時から、私はセシリアのことを『セッちゃん』と呼んでる
もうすぐで十五歳になるのに、恥ずかしいけど・・・。
アルはセッちゃんとうまくいかない
性格の面で。
だから、あたしのことを思って遊ぶときはいつも
セッちゃんとも遊んでくれるけど
本心では嫌ってる
今回も、あたしの事を思ってセッちゃんを誘ってもいいと
言ってくれてる
「ねぇ、アル。
セッちゃんはきっとこういう遊びはしないと思うんだ・・
だから、誘わなくてもいいと思うよ」
「・・・・」
「あたしのこと、気にかけてくれてるのはわかってる。
アルは、優しいから・・」
「・・・う、うっせーな」
お互い、顔を少し赤くして目をそらす
「レイシ、俺はお前に気を使って欲しくないんだ」
「え」
「俺のことは構わず、お前の本心でセシリアを考えろよ。
誘うか、誘わないのか・・・。」
「アル・・----」
私はアルをじっとみつめた
アルが、真面目に話すことは、少い
いや、あたしの事を思って言ってくれるのが、嬉しいから。
「別に、あれだぞ!
俺はお前より年上だから、いいアドバイスをしてるんだ・・!
お前を、ちゃんとした大人になってもらうのが、年上の役目だからな!」
「ふふ・・」
「なっ、なに笑ってるんだよ」
「顔、真っ赤だよ
恥ずかしいんでしょ?」
「っ~~~~!」
「だいたい、年上なんて上から目線だけど
アルと私は一年しか歳変わらないんだから!」
「うっせー
それでもれっきとした人生の先輩だよ!」