第1章 初恋
ニヤニヤしながら近づいてくるアル
私が恥ずかしがってること、わかっててわざとやってるんだわ
「もー、近づかないで!」
「なぁーんだよ、俺の事嫌いにでもなったのか~?」
「・・・。」
ドゴッ!
という、鈍い音がアルの腹からきこえた
私が黙ってアルの腹を殴った
私の拳とアルの脇腹がちょうど当たった・・・
「うえ~いってー!」
腹を抱えて転がるアルに
私は呆れた
「それで、ゲームって何?」
「神様が集まる、遺跡があるんだ」
転がりまくっていたアルが、いきなり立ち上がり
真剣な顔つきで話す
「神様が集まる遺跡?
何それ、胡散臭いわよ」
私は正直呆れた
そういうのは簡単に見れるわけないし
見れるものだとしても、それほど重大なことを
〝ゲーム〟の一環としていうアルの価値観に。
「あのね、神様なんて見れるわけ無いでしょ?
そんなすごい事、あたしたちみたいな子供でもできるなら
とっくに大人たちが管理してるわ!
それに、神様の集会を見る事をゲームの一環だと思ってるあんただって」
「あーーーもう、わかった!
一気に話すなー!」
私の話を最後まで聞かずに
アルは耳を抑えた
「ちゃんと聞いてくれ、レイシ。
俺はそれを見れる、とは確言してない!」
「じゃあ、なによ。」
「そこに、行ってみないか?
って言いたいんだ。」
「遺跡に?
あたしたちだけで?」
「心細いなら、水族の生意気お嬢様を呼べよ」