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IN LOVE STORY

第1章 初恋






風が、心地いい



草木は風に揺られる


全身に風が伝わる





・・・あぁ、私は、風に愛されてる





風族として生まれた私は、生まれつき風の加護を得ていると、叔母ぁちゃんが言ってた




白く長い髪を風になびかせながら、エメラルド色のぱっちりとした大きな瞳は

ずっと空を見ていた







「あぁ・・・ついに次の拠点に旅をするのね~」






私、レイシ・ルトラスは風族の一人として

ここにいる。




私は風族が大好きだった

常に世界を旅しながら生活する



ある程度の拠点はあっても、その地にずっと住むことはない





風族は常に風と共にある




だから、風の向かう場所に私達も向かい、旅をする









「それにしても、最近ちょっと退屈だわー
何か面白いこと起きないかしらぁー」





「そんなに退屈なら、ちょっとゲームでもしないか、レイシ?」




私の足下で寝転がって話したのは

龍族の一人、アルシレスト・ラゾーラ





長い名前は覚えにくいから

私は彼の事をアルと呼んでる



アルは私達風族と龍族との間で取引された

いわば人質。






風族の拠点を教えるかわりに、龍族は特殊な文明開化の技術と王家の一人を風族に引き渡し、人質にする

という条約を、古から交わしている






その人質がアル・・・。


私とアルは昔からの幼馴染みだから

人質なんて考えないけど・・・



アルは、気にしてるときが多い








「おい、聞いてるのか?」

「えっ、あ、うん!」



ボーッとしていた私の顔を目の前でじっと見つめるアル



「本当に聞いてたか?
それに、顔赤いぞ・・・熱でもあるんじゃ」


「ちゃんときいてるよ!
それに熱なんてないわ!
あ、アルが顔近づけるから・・・」


「近づけるから、何だよ?」



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