第1章 初恋
「お・ば・け♥
なんちゃって~」
「は・・はぁ?!」
「ははっ!
嘘だって、俺は---」
「離れろよ、闇族。」
「!」
私は、後ろからアルの低い声に驚き、思わずふりむいて
本当にアルが話してるのか疑ってしまった
「ここになんのようだよ。
お前らみたいな蛮族に、神様は微笑んでくれねーんだ。
さっさと失せろ。」
「あ、アル?」
「下がってろ、レイシ。
こいつは闇族の手先だ・・俺たちの敵だ」
「ちょっと、アル待ってよ!
何する気?!」
松明を持ちながら、アルは片手に魔力を貯めた
それを見た闇族の青年は、ニヤリと笑う
「へぇ~龍族の五番目の王子様の噂、本当のようだな」
「俺の事を知ってるのか」
「知ってるぜ、お前は龍族の王家の五番目の王子。
末っ子で、王家を継ぐことはまず不可能だから、風族の人質になってんだろぉ?」
「・・・」
「そんで、儀式の贄に」
「黙れ!!」
「・・・・・。」
闇族の話を、アルは打ち切った
アルの怒涛のような声が、洞窟中に響く
「それ以上は言うな。」
「・・・ふーん、お前〝そういう奴〟なんだ」
闇族の青年は、レイシとセシリアはみて、クスクスと笑った
「神様にお願いして、自分の運命を変えて欲しかったんだな?」
「黙れ・・」
「『お願い、神様!
僕はまだ生きたいです、死にたくありません!』」
「黙れ・・・!」
「『生贄ならここにいます!
だから、僕だけは助けてください、お願いします~!』って、頼んでもらうつもりだったんだろ?!」
「黙れって言ってんだろーーーー!!!」