第4章 救世主
激しい笛の音に男達は思わず耳を塞いだ。
「なんだてめぇら? 」
秀真先輩が睨みを訊かした。
目の前にはメガホンを持ち、無邪気に笑う新形 舜。
笛を首にぶら下げて涼しげな面持ちの西条 貴広。
そして、金属バットを持ち男達を無表情で見下ろす生良 直人がいた。
「俺たち二年の泪ちゃんの友達で~す☆」
舜がニコやかに答える。
「ちっガキが....何しにきた?」
「何しに来たって...決まってんじゃん。」
「お姫様を助けに来ました~。」
貴広の言葉に続けて舜が言った。
「くそっ、チビが調子のってんじゃねぇえ!!」
三人に一番近い男が舜に殴りかかってきたのを、舜は軽くかわし男の首を掴み壁に押し付けた。
「あ"?もっぺん言ってみ?」
いつもと変わらぬ笑顔だがドスのきいた声に威圧的な目。
男は怯んだ声で繰り返した。
「が、ガキが調子にのってんじゃねえって言ったんだよ!」
ガスッドガッ
鈍い音が響いた。
男はその場に勢いよく倒れこんだ。