第2章 始まり
部屋に着いた頃、泪の携帯が鳴る。
ピコンッ
画面を見ると"莉菜"の文字。
〈ごめん!明日も風邪で行けなさそう!〉
(明日も、か。莉菜大丈夫かな?)
《私は平気だよ。莉菜こそ大丈夫?お見舞い行こっか?》
送信するとすぐに返事が帰ってきた。
〈泪~!あんた本当良い奴だね!でも大丈夫、明後日には絶対行くから!〉
《そっかそっか!早く治してね!じゃあおやすみ。》
そう送ると、返事が来なくなった。おそらく寝たのだろう、と考え、泪も眠りに落ちた。
次の日、いつものように学校に行く。
莉菜もいないので話す相手も殆どいない、泪は元々一人を好んでいたので寂しいなどという気持ちはなかった。
机でボーッとした様子で回りを観察してみると、教室の真ん中で男達が騒いでいる。
別に興味はないが他にすることもなかったので何を話しているのか耳を傾けてみた。