第2章 始まり
「ありがと、凄く良かったよ。」
そう言って服を着替えると再び泪を抱き締めた。
『は、はい....でも』
「分かってる。付き合えない、だろ?」
泪の言葉を遮るように言う。
『....ごめんなさい。』
「謝らないで。明日からも友達として仲良くしてくれるかな?」
『はい、もちろん。』
「良かった。」
彼は少し明るい声で囁いた。
この時、泪は彼の腕の中に収まっていた為気づかなかった。
彼のニヤリと笑う姿に...。
「じゃあ、また明日ね。」
『あの、秀真先輩!』
「....何?」
『あの、今日の事は誰にも言わないですよね?』
泪の問いに彼はクスリと微笑んだ。
「言わないけど、何か不都合なことあるの?」
『い、いえ...。』
「ふーん、じゃあまたね。」
彼が帰った後、泪も急いで身支度をし、家へと帰った。