第8章 恋煩い
休日だったのでお昼から、
私は一人でのんびりと買い物に出かけた。
その時もずっとずっと
黄瀬くんのことを考えてしまっていた。
るり(結局あの後は普通の黄瀬くんに戻ったけど…)
~海常VS桐皇終了後~
私は黄瀬くんが泣き止むまで黄瀬くんを抱きしめた。
なんて話しかければいいか分からず、
ただただお互いに無言で居た。
"ドクンドクン"
私よりずっと身長の高い黄瀬くんの心臓が
私の耳元でなっていた。
私の心臓の音も黄瀬くんに分かるのかな?
そう思うとなんだかもっとドキドキしてしまった。
黄瀬「るりっち…ドキドキしてる。」
るり「えぇ!?うーん…こういうの慣れてなくて…。」
黄瀬「本当にそれだけ?」
るり「え?」
黄瀬くんは私を抱きしめていた手をぱっと離した。
私も黄瀬くんを離した。
黄瀬「るりっちももしかして俺のこと好きなんじゃないっスか?」
そう冗談っぽく言って
黄瀬くんはいつものヘラっとした笑顔に戻っていた。
るり「えぇ!?…んー…わかんないよぉ。」
黄瀬「え?」
るり「そ、そういう風に黄瀬くんの事見たことなかったから…。」
私はもじもじしながら言うと
黄瀬くんは笑い出した。
黄瀬「ははは、冗談っスよ。るりっちはまだ"あいつ"の事が好きなんっスよね。」
そういって黄瀬くんは悲しそうに笑った。
るり「ん…。わかんないよ…。」
黄瀬「でも、もう諦めないっス!いつか、るりっちが振り向いてくれるまで頑張るっス!だから…」
るり「?」
黄瀬「こんな事したからって、避けたりしないでくださいっス。もし、嫌だったなら忘れて下さいっス。」
るり「あ、あのね…全然、」
黄瀬「ん?」
るり「嫌じゃなかったよ!」
黄瀬「そっか。ありがとう。じゃぁ、またね。るりっち。」
るり「うん。またね。」
そうして私達は別れたのだった。