第40章 理不尽な願い。
黒子「神谷さんがこうして僕に悩みを話してくれました。」
るり「…え?」
黒子「神谷さんはいつだって一人で考え込んでいました。決して他人に頼ろうとはしていませんでした。」
るり「…。」
思わずうつむいて目を逸らす。
でも、目を逸らさせないように
黒子くんは私の顔を覗き込む。
黒子「もしかしたら、僕が今までは頼りなかったから相談してくれなかったのかもしれません。でも、こうして神谷さんが僕に相談してくれて…僕は嬉しいです。」
るり「…嬉しい?…迷惑じゃない…?」
黒子「迷惑なんかじゃないですよ。僕は君の力になれるのが嬉しいです。僕に限らず、きっと他のみんなだってそうです。」
るり「…。」
黒子「だから僕はもっと知りたいです…。神谷さんのこと。他の人たちが知らないような事も全部…。」
るり「黒子くん…。」
黒子「…僕に教えてくれませんか…?」
頬に触れていた手が
離れ、次は私の髪を優しく撫でる。
そのまま、
私をゆっくりと
自分の方へと優しく引き寄せる。
私もそれに従うようにゆっくりと
目を閉じる。
吐息が触れるほど顔が近づく。