第40章 理不尽な願い。
黒子「たとえ上手くいっても…神谷さんは本当に幸せになれるんですか?」
黒子くんは私の頭を優しくなでた。
包まれる体温は暖かくて心地がよかった。
るり「私は…幸せじゃない。」
私はゆっくりと黒子くんの腕に
体重を任せた。
受け止めるようにゆっくりと
黒子くんも私を強く抱きしめる。
黒子「じゃぁ、それは正しい選択ではないです。」
るり「…でも、私が首を振れば…家族が壊れるかもしれない。」
黒子「そうですか…。ではどうするのが一番いいか一緒に考えましょう。」
るり「…うん。」
少し体勢がきつくなってきたので、
私はゆっくりと元の位置に戻る。
黒子「明日、僕達は必ず勝ちます。一緒に考えるのはそれからでもいいですか…?」
るり「うん…大丈夫だと思う。」
私がそう返事をすると、
黒子くんはニコっと笑った。
黒子「…帰りましょう。」
黒子くんはゆっくりと立ち上がった。
るり「待って。」
私は黒子くんの腕を掴んだ。
黒子「…?」
るり「…ごめん。もう少しだけ…一緒に居て。」
私がそういうと、
黒子くんは再び私の隣に座った。