第40章 理不尽な願い。
こうして父がわざわざ私に連絡を取ってくるのは
はじめてだった。
それ故に…
嫌な予感しかしなかった。
きっとこの嫌な予感は
的中する。
気がつけば私は
家の前まで到着していた。
深呼吸をすると
私は家の門をくぐった。
るり「ただいま。」
返事はない。
玄関に入ると、
丁寧に父の革靴が端に揃えられて置かれていた。
私も父の靴の逆側に靴を揃えた。
父と話すのは久々で
どんな風に話していいか忘れていた。
緊張しながら
私はリビングへと向かう。
リビングのドアを開けると、
少し痩せた父が静かに笑った。
父「おかえり。」
私は軽く会釈すると、
荷物を端に置き、
父の正面にある椅子に腰掛けた。
真っ直ぐと父と目が合う。