第38章 変化していく日常。
虹村「うし、ここらに置いとくか。」
虹村先輩は図書室の端にダンボールを置いてくれた。
るり「先輩、ありがとうございました!」
私が頭を下げると、
虹村先輩は私の頭をまたワシワシと撫でた。
虹村「お前、無理してないか?」
虹村先輩は私の顔を覗き込んだ。
るり「無理…ですか?」
虹村「なんつーか…ほら、お前さ、女バスとかでも馴染めてなかったみたいだし…女子って馴染むの結構大変なんだろ?他のマネージャー達とうまくやってるか?」
虹村先輩は頬をポリポリとかきながら
困ったように私を見つめていた。
あ、心配してくれてるんだ。
すぐにそう分かった。
るり「は、はい!皆さんとても優しいので…」
そこから私は言葉に詰まってしまった。
皆優しいけど、仲がいいわけではなかったから…
うまくやっていると言えるのかわからなかったから。
虹村「その…なんだ、女のいざこざとかはわかんねぇけど、なんかあったらすぐ言えよ。」
虹村先輩は心配そうに私を見つめた。
るり「いえ、あの…皆とてもよくしてくださるのですが…仲が良いのかわからなくて…うまくやっているかと言われると…」
私がもごもごとそう言うと、
虹村先輩はまた笑いはじめた。
私達以外誰も居ない図書室に
虹村先輩の明るい笑い声が響き渡る。
虹村「お前って不器用な奴だよな。ぜってぇ友達少ねぇだろ!」
るり「っう…。多くは…ないです。」
私は思わずうつむく。
虹村「マイナスに考えんな。常にプラスに考えろ。そうすればきっと上手く行くよ。」
そう言って虹村先輩はまた笑顔で私の頭を撫でた。
るり「…はい。」
私が返事をすると、
虹村先輩はまた嬉しそうに笑っていた。