第38章 変化していく日常。
虹村「神谷、お前ってドMなのか?」
先輩はケラケラと笑いながら、
立ち上がる。
るり「え!?」
虹村「お前はいつだって無理しすぎだ。こんなの一人で持っていくとか男でも大変だ。無理ならちゃんと先生に言え。それか誰かに頼め。怪我したら大変だぞ。」
そう言って虹村先輩は私の頭をワシワシと撫でた。
るり「あ…はい。すいません。」
私は再び頭を下げた。
虹村「バカ。そこは謝るとこじゃねーよ。ほら、さっさと拾って図書室もってくぞ。」
そう言って虹村先輩は辞書を拾い集めはじめた。
るり「わぁ!すいません!先輩!私がやります!」
私も慌てて散乱した辞書をダンボールに
拾い集める。
虹村「ばーか。だから、手伝ってやるって。もっと頼れよ。他人によ。」
そう言ってまた、虹村先輩は私をワシワシと撫でた。
そして、満足気に笑った。
るり「…はい。ありがとうございます。」
私もつられて笑ってしまった。
すると、虹村先輩は何故か私のおでこにデコピンをした。
るり「うひゃ!?」
虹村「っぷ…わりぃ、なんか可愛かったから思わずしちまった!」
そう言って虹村先輩はダンボールを抱えて歩きはじめた。
るり「かわぃ…へ!?…あ!せ、先輩私持ちます!」
虹村「うっせぇー、黙って任せろー。」
先輩は軽々とダンボールを図書室まで運んでくれた。