第38章 変化していく日常。
~中学時代~
るり「…うぅ。重たい…」
私は国語の先生に任されて、
授業で使用した辞書を図書室に運んでいた。
何冊も辞書が入ったダンボールは
腕が千切れそうなぐらい重かった。
私はふらふらとそのダンボールを図書室へ運ぶ。
ふと下りの階段に差し掛かる。
大きなダンボールのせいで、
足元が見えない。
大体この辺だろうかという憶測で
足を出す。
"ズルッ"
るり「きゃっ!!!」
足が丁度階段の端の方についてしまい、
ズルっと足がすべる。
私は思わず目を瞑る。
ダンボールと辞書が階段を転がり落ちていく音がする。
…
…
…
るり「…あれ?」
何故か、私は転がり落ちない。
ゆっくり目を開けてみると、
私は後ろから誰かに抱きかかえられるような状態になっていた。
「…ったく、危ねぇなぁ…」
聞き覚えのあるその声に
私は思わず振り返る。
るり「に、虹村先輩!!!」
虹村「うわ!?ちょ、急に動くな!ば、バランスが!」
るり「へ!?うわぁ!?」
私を抱えた虹村先輩は私が突然振り返った勢いで、
後ろにバランスを崩し、
私を抱えたまま倒れてしまった。
虹村「…いってぇ…。」
私が先輩の上に乗るように倒れてしまった。
私はすぐに先輩から降りた。
るり「…す、すいません!先輩!」
私が謝り頭をさげると、
虹村先輩は笑いだした。