第36章 人事を尽くして天命を待つ。
それからその日は休み時間もずっと
緑間くんは私の事を見ていてくれた。
正直その時は緑間くん意図がつかめず、
ただ、緊張でドキドキしっぱなしで…
少し怖いって思ってたけど、
あの時緑間くんは
いつでも私にわからない所があれば
聞けるようにと傍に居てくれたそうだ。
それからも教室だけでなく
部活でも、いろいろな場面で緑間くんは
私を助けてくれた。
でも、表情はいつだって
しかめっ面で…
私は不思議でたまらなかった。
るり「あ、あの、緑間くん…」
緑間「ん?何だ?」
るり「み、緑間くんはどうして私を気にかけてくれるんですか…?」
私がそう聞くと、緑間くんは何故か私に背を向けた。
緑間「む…///べ、別に…お、同じ部活仲間で…く、クラスメートだからなのだよ!か、勘違いするなよ!///」
緑間くんはいつもよりモゴモゴとそう言った。
るり「…ありがとう。」
緑間「…と、とりあえず、何か困った事があればすぐに俺に言うのだよ…。…いつでも飛んでいくのだよ。」
るり「へ?す、すいません最後の方聞き取れなかったのですが…。」
最後の方だけ聞き取れず、
私が聞き返すと、緑間くんは『何も言ってないのだよ!』と言って、どこかへ行ってしまった。
しばらくすると、緑間くんは戻ってきた。
緑間くんは手に持っていた缶を私に差し出してきた。
るり「え?あ、あの?」
緑間「…やるのだよ!」
私はそれを受け取った。
るり「…いちご味の…おしるこ…ですか?」
緑間「全く、おしるこをいちご味にするなど外道なのだよ!…でも、女はこういうのが好きだと黄瀬が言っていたのだよ。」
そう言いながら緑間くんは普通のおしるこを飲み始めた。
緑間「勘違いするんじゃないぞ!ただおしるこが飲みたくて…でも俺一人で飲むのは悪いと思っただけなのだよ!」
るり「…ありがとうございます。」
私もいちご味のおしるこを飲んでみた。
甘い中にいちごの酸味がありなかなか美味しかった。
るり「ん~!美味しい!」
私がそういうと、
緑間くんはじっと私の缶を見つめた。
…飲みたいのかな?