第36章 人事を尽くして天命を待つ。
会場に入ると、
秀徳と洛山の試合のインターバルタイムに入ったところだった。
スコアボードに目をやると…
同点だった。
先程、試合をしていた選手たちと入れ替わりで
アップをする誠凛と海常の選手たちが
コートに入る。
ふと、赤司くんの目を見る。
背筋がぞっとするような冷たい目だった。
るり「…またあの目だ…。」
リコ「え?何か言った?」
るり「…いえ。」
なにやら黒子くんと火神くんと話しているようだった。
そして、
私たちはアップを終えると、
再び控え室に戻った。
私は赤司くんと緑間くん
どちらに勝って欲しいのだろうか…?
ただただぼーっとそんな事を考えていた。
試合時間も近づき私たちはコートへと向かった。
るり「!!!」
先程まで同点だったのに
あっという間に秀徳が14点も離されていた。
でも、秀徳は誰一人諦めていなくて…
緑間くんも
中学の時よりずっとずっと
いきいきと
仲間を信じたバスケをしていた。
るり「…緑間くん…。」
緑間くんはいつだって不器用だったけど
優しくて…
何も出来ない私に
世話を焼いてくれる人だった。