第36章 人事を尽くして天命を待つ。
控え室で、
私はいろんな事を考えていた。
もし、誠凛が負けたら…
私はどうなるのだろう…。
逆に赤司くんに勝ってしまったら…?
「…さん…神谷さん!」
名前を呼ばれてはっと我に返った。
るり「あ、ごめん…。」
黒子「大丈夫ですか…?」
黒子くんは私の顔を覗き込む。
るり「うん。大丈夫。」
私が笑うと、黒子くんも笑った。
黒子「不安…ですか?」
るり「ううん。不安じゃないよ。ただ、これからの事を考えてた。」
黒子「…これからの事…ですか?」
るり「うん。」
そろそろアップの時間になっていたため、
選手たちは控え室を出て行く。
るり「あのね、黒子くん。私、バスケのマネージャーしてよかった。」
私がそう笑うと、黒子くんは不思議そうな顔をした。
るり「最初は怖くて逃げてた。でも、向き合ってみたら…やっぱり私はバスケが好きで…みんなが好きだった。」
黒子「そうですか。」
黒子くんは優しく笑った。
るり「…行こっか!」
私は立ち上がった。
黒子「はい。」
そうして、私たちは会場へと向かった。