• テキストサイズ

COLORS☆黒子のバスケ

第36章 人事を尽くして天命を待つ。


それから、私は人混みを避けながら
控え室へ向かっていた。

「るり。」

名を呼ばれてはっとなり
足を止めた。

赤司くんが私の前にいた。

るり「…赤司くん。」
赤司くんはいつもの優しい赤司くんだった。

赤司「今日の試合。君は、僕と真太郎どちらに勝ってほしい?」

るり「…え?」

じっと私を見つめる赤司くんの表情は
どこか悲し気で…

私もその質問の答えを出せずに
ただ、黙り込んでしまった。

赤司くんは静かに笑い、
私の頭を優しく撫でた。

赤司「どちらにせよ、僕は負けない。決勝で待っているよ。」

そうして、去って行く赤司くんの背中を
じっと見つめていた。

いつも私の手を引き進んでいた
彼の見慣れた背中は

中学の時より
少しだけ大きくなっていた。

私は控え室へ歩き始めた。

"どっち"に勝ってほしいかなんて…
私にはわからなかった。
/ 516ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp