第36章 人事を尽くして天命を待つ。
会場にはすでにたくさんの人。
さすがに準決勝ともなれば当たり前か…。
「神谷!」
控え室に向かう途中、
名前を呼ばれ、立ち止まる。
振り返ると、緑間くんだった。
降旗「先、行ってるぞ。」
るり「うん。ごめん。」
降旗くん達は先に歩いて行った。
緑間くんは私の目の前で立ち止まった。
るり「おはよ。」
緑間「おはよう…。」
るり「今日蟹座2位だったね。」
緑間「まぁ、なかなかの順位なのだよ。」
るり「試合、頑張ってね。」
緑間「…うむ。」
緑間くんはじっと私の顔を見つめた。
るり「…ん?」
緑間「…お前の事は…俺が助けるのだよ。」
緑間くんはめがねをあげた。
緑間「もし、俺が今日赤司に勝ったら…」
るり「うん…?」
緑間「また、髪を伸ばしてほしいのだよ。」
緑間くんは私の頭を撫でた。
るり「髪を…?」
緑間「今の髪型が似合わないというわけではないのだよ…。ただ、やっぱり長い方が俺は好きなのだよ。」
そう言って緑間くんは笑った。
るり「…わかった。決勝で会えるの楽しみにしてる。」
私が手を出すと、緑間くんは私の手を握った。
緑間「っふ、お前らも必ず勝ち残るのだよ。」
るり「当然!」
そうして、緑間くんと私は別れた。
…大丈夫。
信じてる。