第35章 選ばれなかった色。
その日の帰り、
私は会場に来ていたさつきちゃんと話した。
青峰くんが
灰崎くん止めに行ったそうだ。
きっと、また黄瀬くんに手を出す。
でも、きっと本当は
そうやって止めてくれる誰かを
待っているのかもしれない。
ただ、寂しいのかもしれない。
私は勝手にそう思っていた。
帰り道。
あの公園からバスケットボールの音が聞こえる。
私が覗くと、
灰崎くんが練習をしていた。
るり「灰崎くん。」
私が名を呼ぶと、
彼は振り向いた。
灰崎「あ?」
るり「久しぶり。覚えてる?」
灰崎「…お前、髪切ったんだな。長い方がよかったぞ。」
灰崎くんは不機嫌そうにそう言った。
るり「っな!!!灰崎くんだってその髪型変だよ!外国人ラッパーみたい!」
灰崎「あぁ!?カッコイイだろうが!バカっ!」
灰崎くんは顔を真っ赤にして怒った。
灰崎くんは私に向かってボールを投げた。
るり「っわ!?」
灰崎「暇なんだ。ちょっと付き合え。少しは出来んだろ…バスケ。」
るり「…うん。」
私は荷物を置いて、
灰崎くんとバスケをする事にした。