第35章 選ばれなかった色。
赤司くんは帰り道、ずっと無言だった。
何か怒っているのだろうか…?
私は怖くて何も喋れなかった。
るり「あ、こ、この辺で大丈夫。」
私がそう言うと、
赤司くんは私をじっと見た。
るり「あ…あの…」
赤司「僕のせいで怖い目に合わせてしまって悪かった。」
るり「…え?」
赤司「警戒はしていたんだ。でも、まさかるりが狙われるとは…思っていなかった…。」
そう言って赤司くんは私の髪を撫でた。
赤司「次は必ず…守るよ。」
るり「…。ありがとう。」
赤司「…じゃぁ、明日も…送るから…。」
るり「え?」
赤司「これから毎日送る。…じゃぁ、また学校でな。」
そうして、赤司くんはすぐに帰って行ってしまった。
…明日から毎日赤司くんが送ってくれる…。
なんだか少し嬉しかった。
それから、私は家へと向かって歩いた。
…近くの公園からボールをドリブルする音がする。
私は公園を覗いた。
るり「あ…。」
そこには灰崎くんが居た。