第35章 選ばれなかった色。
…。
…。
…。
あれ?
灰崎くんは何もしてこない。
私は目を開けた。
灰崎くんと目が合った。
なんだか、悲しそうな顔をしていた。
るり「…?」
灰崎「お前、なんでバスケ続けんの?」
私は意味がわからず、
首をかしげた。
灰崎「お前の事、女バスの奴に少し聞いたんだ。お前さ、女バスでいじめられたりしたんだろ?なのになんですぐバスケ部辞めなかったんだ?」
るり「…。」
灰崎「あぁ。わりぃ…。」
灰崎くんは私の口についているガムテープを優しくはずした。
るり「…なんでだろう…いじめられてるって…気付いてなかったからかな…?」
私がそう言うと、
灰崎くんはまた悲しそうな顔をした。
灰崎「お前って見た目によらずバカなんだな。」
るり「…。」
灰崎くんは大きく溜息をついた。
灰崎「やる気失せたー…。」
"ボフッ"
るり「え!?ちょっと…あ、あの////」
灰崎くんは私の上にのしかかるように
倒れこんできた。
灰崎「…何もしねぇから…ちょっとだけこのまましてて。」
るり「…。」
少し重かったけど、
私は言われるままにしていた。