第35章 選ばれなかった色。
私が上履きから靴に履き替えている時だった。
"ドンッ"
「っよ!るりちゃ~ん。今帰りぃ~?」
突然後ろから私の下駄箱のドアは勢い良く閉められた。
私が振り返ると、そこには灰崎くんが居た。
るり「…あの、手どけてください…上履き戻せないんですけど…。」
私がそういうと、
灰崎くんはニヤニヤと笑った。
灰崎「あぁ、ごめんね~。」
灰崎くんが手をどけたので、
私はすぐに上履きを下駄箱に入れると、
その場を後にしようとしたが、腕を掴まれた。
灰崎「おいおい、つれないねぇー。もっとかまってよ。」
るり「…離してくださいっ!」
私が睨みつけると、
灰崎くんは更に嬉しそうにしていた。
灰崎「あんたってさぁ、何で赤司のお気に入りなわけ?」
るり「だから、お気に入りじゃないってば…。」
灰崎「ふぅーん…まぁ、どっちにしろソコソコ可愛いし…違ってもいいやぁ。」
灰崎くんは不適な笑みを浮かべた。
るり「…?」
灰崎「俺、意外と好きなんだよねぇー。黒髪ロングの真面目系な子が出てくるAVとかさ。そういう子が無理矢理~みたいな奴?燃えるよねぇ~」
灰崎くんは私の髪に触れた。
るり「…何言ってるんですか?」
灰崎「…お前の事、赤司から奪ってボロボロにしてぇって言ってんだよ。」
"ッゴ"
るり「っ!!!!!!」
お腹に鈍い痛みが走った。
激痛から意識が薄れていく。
灰崎「ここじゃ邪魔入るし、ちょっと大人しくしててもらうよ。」
私の視界は
真っ暗になった。