第35章 選ばれなかった色。
灰崎「あ~ぁ。破けちゃったねぇ?困ったねぇ~」
そう言いながら、
灰崎くんは私に破けたユニフォームを投げて渡した。
るり「…。」
私はそのユニフォームを拾うと、
すぐにその場を後にした。
後ろで灰崎くんは笑っていた。
嫌な人に会ってしまった。
私は洗濯機にユニフォームを入れると、
破れたユニフォームを持って、
体育館へ戻った。
るり「…あの…。」
私は赤司くんに破けたユニフォームを見せた。
赤司「…灰崎か?」
何故わかったのだろう。
私は驚いた。
るり「…。」
赤司「…最近体育館の周りをウロウロしていたからな…。監督には俺から話しておく。灰崎には気をつけるんだぞ。」
そう言って赤司くんは破れたユニフォームを私から受け取ると、私の頭を優しく撫でた。
るり「あの…灰崎くんってどんな人なんですか?」
私がそう問いかけると、
赤司くんはしばらく考え込んだ。
赤司「…君は知らなくていい。これから灰崎に会っても無視していろ。関わるな。」
そう言って赤司くんはどこかへ行ってしまった。
るり「…。」
それから、すっかり灰崎くんの事なんて忘れて
部活を終えて、私は下駄箱に向かった。
外は少し暗くなり始めていた。